近頃宇宙ブームが起きていますね。 某兄弟のアニメ化や、はやぶさの活躍、国際宇宙ステーション絡みのTV特番もありますし、BSでは宇宙に関するレギュラー番組まであります。 数年前の金環日食で日本中が沸いたのも記憶に新しいところ。 ですが、宇宙開発には大きな逆風があるんです。 それは 「宇宙開発なんて何の役に立つ。そんな事にお金を使うくらいならガンの研究に金を使え」 なんて言う批判です。 (別にガンの研究を目の敵にしているのではなく、単に実際に目にした批判の声を引用したまでです) 宇宙開発は多額の費用と長い時間がかかる割に、その成果は一般人の目には「たんなるお祭り騒ぎ」にしか見えません。 材料工学や制御技術など、先端技術を開発運用する事で「裾野」への波及効果は大きなものがあるのですが、皆「縁の下の力持ち」的存在で、なかなか認識されません。 「近視的」見方しかできない人から見れば、「道楽に金を無駄遣いしている」ように見えるわけです。 しかし、先端の世界というものは、いつもそんなものだったのです。 今や生活に無くてはならないパソコンやスマホの心臓部であるCPUも、その祖先は  「開発提案を受けた国内企業が皆『そんなもの何の役に立つ』と言って拒否」 された電卓用の部品だったのです。 幸い、アメリカのインテル社が提案を受けて4004というCPUを開発。 以後インテル社はCPUの、いや半導体の世界を常にリードする有名大企業に成長したわけで、「近視的」な物の見方しかできなかった国内電器産業の会社たちは大きな、いや取り返しのつかない巨大すぎる機会損失を出してしまったのです。 今後地球では資源の不足が問題になっていきます。 あるCMでは「地球2個分の資源が必要」として、「省資源」を超えた「文明を後退させてまで行う省資源」を訴えています。 ですが、宇宙開発はそんな「逆行」を防ぐ切り札になるのです。 そう、地球に無いなら、宇宙から調達すればよいのです。 今すぐできる話ではありません。 しかし、各国は手始めに月開発の商業化を目指して進み始めています。 門外漢が「役に立たない」と言っているからと立ち止まっていたら、必要な時に間に合わない。 今必要なのは「長期的視点」と「素人意見の排除」ではないでしょうか。